第39回「二人のヴィーナス」
2009年07月28日
「ヴィーナスの誕生」を2枚ご購入頂いたお客様がいらっしゃいました。
一つはサンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」
もう一つは、アレクサンドル・カバネルの「ヴィーナスの誕生」です。
弊社でも定番品として用意させて頂いているルネサンス期・フィレンツェ派の巨匠
ボッティチェッリのヴィーナスは1483年頃に描かれた作品で、貝の上に誕生したばかりの
ヴィーナスが立ち、西風の神であるゼピュロス(隣は花の女神フローラ)によって、
島に吹き寄せられています。そこに季節の女神であるホーラが花で覆われた外套を
差し出している構図です。
このヴィーナスの首は長く、左肩の傾きは解剖学的にあり得ない角度をして
いますが、正確に人体を描こうとする古典的なリアリズムではなく、
美しく描こうとする、絵画としての技法が見て取れます。
時の権力者メディチ家より発注され、制作された作品といわれており、
現在はウフィッツィ美術館に所蔵されています。
また、もう一つアレクサンドル・カバネルの代表作『ヴィーナスの誕生』は
波の上に横たわる美しいプロポーションを持つヴィーナスと、空を舞うキューピット。
より官能的で卑属な雰囲気をかもし出しています。フランスの芸術アカデミーの影響の強い
アカデミック絵画の代表作であり、1863年のサロンに出典され、その美しさから皇帝
ナポレオン3世が購入したという記録が残っています。定番品としてはご用意しておりません
でしたが、オルセー美術館の所蔵であったため、特注品として制作が可能でした。
(契約のある美術館のものであれば、サイトに未掲載のものでも制作できる作品もございます。
お気軽にお問い合わせ下さい。)
海の泡から成人した姿で誕生した美と愛の女神ヴィーナス。同じテーマでありながら、
違った作風と歴史を背景を持つ、二人のヴィーナスに囲まれるのも羨ましい限りです。

ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」

カバネルの「ヴィーナスの誕生」