第31回「コロー 光と追憶の変奏曲へ」
2008年08月28日
ジャン=バスティト・カミーユ・コローの展覧会「コロー 光と追憶の変奏曲」へ行って参りました。
夏も終わりにさしかかった平日でしたが、それなりの人手もあり、皆さんの興味の高さも伺える様子でした。
本展の説明にもあります通り、コローはその名声と人気にも関わらず、コローを中心にすえた本格的な
展覧会は日本を始めとして海外でも稀にしか開かれていないとのこと。ある意味、貴重な展覧会でも
ありますから、その人気が伺えます。
人物画にも多くの秀作を残しているコローですが、今回の目玉になっていたのは、コローのモナリザとも
呼ばれる「真珠の女」。口さがのない人々にはダヴィンチは及ばないなどと言われておりますが、
絵の楽しみ方は美術の歴史や背景のフィルターを通してみるばかりではないのだと思います。
観た方が心を打たれれば、それがその方にとっての名画です。モナリザの微笑とはまた異なる優しさを
感じさせる柔らかな雰囲気。ある意味、コロー自身の繊細な人となりが感じられる作品だと私は思います。
名画NETで扱わせて頂いているプリハードの複製画作品では
「青衣の婦人」、「モルトフォンテーヌの思い出(追憶)」などの原画が展示されております。
いつも原画を見るたびにプリハード社の再現性には関心をしております。
ルーブル美術館に言った際にモナリザのときに感じたのですが、逆に原画の方が劣化してしてしまっている場合、
プリハードが持っているデータの方が再現性が高いのは,少し皮肉なものも感じます。
コローは19世紀の作家ということもあり、絵画の保存状態も良く、アクセントの赤や、代表的な灰銀色も
とても良いバランスの色が感じられました。コローの拘ったヴィル=ダヴレーの森は今も美しく煙るような
灰銀色を見せているのでしょうか。
後、数日ですが、国立西洋美術館にて、「コロー 光と追憶の変奏曲」として、
2008年6月14日~8月31日に同作品が展示されております。
その後、2008年9月13日~12月7日神戸市立博物館にて巡回展示されております。
世界の名画をその目にする数少ない機会。是非、お足を運ばれてみては如何でしょうか。

コロー 「モルトフォンテーヌの追憶(思い出)」

コロー 「青衣の婦人」